ふわもこメモ

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睡眠負債の返済方法

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睡眠不足や質の悪い睡眠によって蓄積していくのが「睡眠負債」。
この問題はテレビでも紹介され、いま注目を集めています。睡眠負債を抱えた人はパフォーマンスがなかなかアップしない、ケガをしやすい、大量不良に陥りやすい、といった傾向が強くなるためです。
今回は睡眠がなぜ重要なのかと睡眠負債がもたらす弊害を検証するとともに、良質な睡眠をとるための秘訣、不眠の改善方法など、睡眠負債を返済していく方法を探っていきます。

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睡眠の基礎知識

「眠る」ことが体調管理の基本

睡眠は心身の健康を保つうえで欠かせません。その理由は「体内時計の調整」のために睡眠が必須だからだ。体内時計は睡眠医学的には「概日(がいにち)リズム」と呼ばれています。このリズムの中枢は、脳の視床下部にあり、夜になると視床下部からの命令を受けた脳の松果体という部位から「睡眠ホルモン」として知られている「メラトニン」という脳内ホルモンが分泌されます。
メラトニンは、朝の太陽光が網膜から脳に入ることで分泌が停止します。それにかわって、覚醒ホルモンである「オレキシン」が分泌されることで心身が覚醒状態へと導かれる。そして、太陽光を浴びてから14~16時間後に脳が再びメラトニンの分泌を開始することで、眠気を感じるようになっています。つまり、太陽が昇ったら起きて、太陽が沈んだら次第に眠くなるというのが本来の人間の概日リズムになります。
このリズムが乱れると、メラトニン分泌のサイクルが崩れて、眠りにつくときに適正量が分泌されなくなります。メラトニン分泌が適正でないと、眠りが浅くなり、その結果、眠りが深い時に分泌される「成長ホルモン」の分泌量が減少。「寝る子は育つ」の言葉どおり、成長ホルモンは体の組織の損傷を修復したり、記憶を定着させたりと心身のリカバリーに欠かせないホルモンなのです。そのため不足すると、心身に不調をきたすことになります。つまり「睡眠不足が続くと肌が荒れる」「体の疲れが抜けない」などの体調不良は体内時計の乱れによる成長ホルモン分泌異常によるところが大きいのです。
そのほか、昼間には心身を活性化させる交感神経、夕方から夜にかけて心身を鎮める副交感神経を優位になるのが基本である自律神経のバランスも崩れることから、昼間にだるさが抜けなかったり、夜に目がさえてしまったりといった弊害も発生します。

2パターンの睡眠

睡眠には眠りの深さが違う、レム睡眠とノンレム睡眠があります。就寝後にはまずはノンレム睡眠が発生し、次に浅い眠りのレム睡眠へと移行します。睡眠中はこの2種類の睡眠が約90分周期で一晩に4~5回、一定のリズムで繰り返されます。

  • ノンレム睡眠
    • 眠りが深い状態のときに発生します。
  • レム睡眠
    • 体は深く眠っているが、脳が起きている状態です。眼球がきょろきょろ動くことも特徴で夢はこの状態のときに見ます。
寝不足・質の悪い眠りが心と体を痛めつける

睡眠負債とは正式には「行動誘発性睡眠不足症候群」と呼ばれる疾患です。睡眠不足や質の悪い眠りによってたまった心身の疲労は借金のようなものであり、返済する努力をしないと、加速度的に膨らんでいってしまいます。
睡眠負債が膨らむと、肉体的な疲労が抜けなくなってしまうことは勿論ですが、脳の疲労の蓄積がより深刻な問題を引き起こします。睡眠不足の状態では判断力や集中力が低下するため、いつもは転ばないような段差で転んでしまったりといったトラブルも多くなります。医学的には、たった15~16時間睡眠をとらないだけでも、脳の機能は酒気帯びと同程度かそれ以上に低下することが明らかになっています。
また、睡眠負債が蓄積すると、生活習慣病、とくにがんの発生率や、認知症のリスクが高まることも医学的に判明しています。
メンタル面への影響も大きく、うつ病の発症もあきらかに増加します。つまり、睡眠負債の蓄積は今日明日の問題だけではなく、将来的な健康問題の危険度(健康リスク)を高めることになります。
睡眠負債の返済のためにするべきことは2つ。
①適切な睡眠時間(7時間~7時間30分)を確保する。
②レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを保てる質の高い睡眠をとる。
これらを毎日繰り返し、コツコツと返済していくし方策はないのです。注意してほしいのは、寝すぎも問題ということ。睡眠時間が8時間以上の人の がん発症率は、4時間以下の睡眠不足の人たちと同じということがわかっています。

実践!睡眠負債の返済方法

[実践1] 睡眠の質を上げるための環境条件

眠りの質を上げるには、眠る環境整備が最重要ポイントとなります。
以下の条件を多く満たすことで、眠りの質は格段にアップするはずです。

  • 寝室は真っ暗に
  • 真っ暗は抵抗がある人は間接照明などを使用する
  • しっかり遮光して、外光が入らないようにする
  • 暖色系の照明を使用し、LEDライトは避ける
  • リラックスできるBGMを流す
  • 眠る前にスマホを使わない
  • 神経を高ぶらせる音楽を聴かない
  • 高すぎたり低すぎたりする枕を使わない
  • 硬すぎたり柔らかすぎる枕を使わない
  • 室温は心地よい温度(26℃程度。個人差もあり)に保つ
  • 除湿や加湿をして湿度を50%程度に保つ
  • 扇風機などで部屋の空気を循環させ、快適性を保つ
  • 食事は就寝2時間前には終わらせる
  • 入浴は38~40℃程度(心地よい温度に)の湯につかる
  • 就寝時間を一定にする
  • 起床後には必ず朝陽を浴びる
  • 1時間以上の昼寝はしない
[実践2] 食後に20分間の昼寝をする

昼寝は脳をリセットするうえで非常に有効な手段です。昼食をとったら、机の上で突っ伏して寝る。またはソファの上でもいいので、軽く睡眠をとりましょう。ただし、長すぎる昼寝は厳禁。20分程度が最適で、1時間を超えると、逆に不眠や睡眠の質を落とすことになります。また「机の上で寝るなんで疲れがとれない」といわれがちですが、これは間違い。逆に、夜に寝ている場所(ベッドは布団)と同じところで寝るのは脳が睡眠と昼寝との区分けができなくなってしまうため、避けた方が良いです。ベッドや布団は就寝の場と条件づけをすることが重要です。また、二度寝はよくないといわれますが、一度目が覚めてもう一度眠れる時間があるのなら、二度寝をしても構いません。睡眠不足であるのに無視して眠らないほうが体には良くないのです。

[実践3] 週末限定、長時間睡眠法

どうしても平日の睡眠時間が短くなってしまう人は、週末の1日だけいつもよりもたくさん寝ることを試してみましょう。昼間でも部屋が真っ暗に近い状態になるような遮光をした部屋で、時間を気にせず眠れるだけ寝る。ただし、これを行っていいのは土曜日のみ。日曜日は、また元の生活のリズムに戻し、体内時計を整える日にします。

[実践4] 呼吸瞑想で自律神経を整える

寝る前に心身をリラックスさせるのに効果的なのが、呼吸瞑想です。ベッドや椅子に座ったり、床に座った状態で体をリラックスさせて深い呼吸を繰り返します。このとき、1日あったことをイメージします。とくに、自分が学んだこと、記憶に定着させたいと思うことをイメージすると、脳内に定着させられます。
そして今度は呼吸に意識を集中します。呼吸に集中するときには、できるだけそれ以外のこと(雑念)は考えないように。もし、雑念がわいてしまったら、すぐ呼吸に意識を戻すようにしましょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、これを繰り返すことで、雑念から解放されて呼吸に集中できるようになります。また、息を吸うことが交感神経を、息を吐くことが副交感神経の働きを促進するため、自律神経のバランスを整え、安眠を得ることができます。

[実践5] ぐっすり眠るのに効果的「ボディスキャン瞑想」

自律神経を整え、安眠へと導くマインドフルネス。
ストレス緩和にも有効です。寝付きが悪い人におすすめ。

  1. 手のひらを上にして仰向けになり、鼻を通る空気の流れに注意を向ける呼吸瞑想をする(2分間)
  2. 頭に注意を向ける(1分間)
  3. 首から方に注意を向ける(1分間)
  4. 背中から腰に注意を向ける(1分間)
  5. 胸や腹に注意を向ける(1分間)
  6. 全身に注意を向ける(2分間)
  7. 再び鼻を通る空気の流れに注意を向ける呼吸瞑想をする(2分間)

睡眠負債を返済するための栄養学

栄養の偏りは睡眠の質を下げる大きな要因です。たかが食事とあなどるなかれ!
食事のとりかたをひと工夫するだけで、睡眠負債を効率的に返済できるのです。

糖質制限で睡眠負債は膨張する!?大食らいの脳の大好物は「糖」

脳の消費エネルギーは想像以上に多く、基礎代謝(体全体のエネルギー消費量)の20%を占めています。筋肉の代謝割合が20%程度ということを考えると、脳のエネルギー消費量がかなり多いことがわかります。
体のおもなエネルギー源はブドウ糖と脂肪酸。ただし、脳のエネルギーになれるのはブドウ糖のみです。脳には「血液脳関門」と呼ばれる検問所のようなものがあり、脂肪酸は通れなくなっているので、エネルギーとして使用されることができません。そのため糖質を過度に制限すると脳はエネルギー不足となり、正常に機能できなくなります。
それでも脳に糖が運ばれなくなると、代替エネルギーとして、体のほかの部分で脂肪酸がエネルギーとして使用されたときに産生される「ケトン体」という物質を使用します。しかし、ケトン体では脳を正常に機能させるために必要十分量の栄養素をまかなうことはできません。また、脳は起きているときだけエネルギーを消費していると思いがち。しかし睡眠中も消費量は半分以下には低下するものの、エネルギーを消費し続けています。エネルギー不足になると嫌な記憶が忘れ、記憶したいことを定着させる機能も低下してしまうことから、ストレスも蓄積し、心のバランスを崩す危険も高まります。

就寝時には「胃は空っぽ」が理想

夕食の内容が睡眠の質を大きく左右します。原則は就寝時には胃をできるだけ空の状態にしておくこと。胃に食品が残っていると、内蔵だけではなく脳も休むことができなくなります。夕食を抜くことはNG。食事をしていったん上昇した血糖値が下降し始めた時に眠気が訪れるからです。空腹のままで血糖値が低下した状態だと目がさえて寝付きが悪くなります。きちんと食事をして血糖値を上げておくことも寝付きをよくするためには重要なのです。

体内時計リセットのカギは朝食にあり!

朝食は体内時計を整えるために非常に重要な役割を果たします。太陽光が覚醒作用をもつのと同様、朝食も体を覚醒させる働きをもつことが医学的にも実証されています。
ただし、単に朝食を食べればいいというのではありません。たとえば炭水化物だけといったように、単一の栄養素を摂取しただけでは体内時計のリセット効果が十分に発揮されないことがあきらかになっています。
もっとも効果的なのは、脳のエネルギーとなる糖質と、メラトニンの材料となる、たんぱく質を含んだバランスのよい食事をとること。ごはんやパンだけといった、糖質のみの食事を摂取するのではなく、目玉焼きや乳製品などをプラスして、たんぱく質もあわせて摂取することが重要です。
また、たんぱく質がスムースにメラトニンの材料となるために必須のビタミンB6もあわせてとるようにしましょう。ただし、カツオ、マグロなどの魚類、レバー、肉などに多く含まれているため、朝食ではとにくい栄養素。ここで活躍してくれるのがバナナです。バナナはビタミンB6が豊富な食品なので、朝食にバナナをプラスすることを習慣化すると良いです。

14~16時間後のメラトニン生成を促す栄養摂取法

睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌させるためには、その材料となる栄養素を過不足なくとることが重要です。ただし、摂取した栄養素がすぐにメラトニンの材料となるわけではなく、前駆体と呼ばれる物質に変換されて、最終的に14~15時間かけてメラトニンに変換されます。その行程を考慮した食事が睡眠へと導くカギとなります。

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